「障がい児と家族の笑顔を支える居場所づくり」NPO法人TEAM創心が三重県松阪市でバースデードネーションプロジェクト開始
NPO法人TEAM創心(所在地:三重県松阪市嬉野中川新町、代表:小山隆幸)は、重い障がいを持つ子どもたちとその家族の生活を支える「バースデードネーションプロジェクト」を開始しました。集まった寄付金は、入浴用椅子やリハビリ用平行棒などの施設設備の充実と、バックオフィス機能の強化に活用されます。
障がい児と家族を支える居場所づくりの背景
小山代表は17年間にわたり作業療法士として活動してきました。ある朝日新聞の三重版で人工呼吸器をつけた子どもとその母親の記事に触れたことが、重い障がいを持つ子どもたちとの関わりの原点となりました。記事の家族に直接会う機会を得た小山代表は、「毎日の介護が大変で夜もあまり眠れない。父親はいなくなってしまった」という母親の言葉に深く心を動かされました。
この出会いをきっかけに、障がいのある子どもとその親との交流会や学習会を企画。ボウリングやイチゴ狩りなどの外出活動を通じて、障がいを持つ子どもたちの生き生きとした表情や笑顔を目の当たりにしました。腕をうまく伸ばせなくても道具を使うことでボールを転がしたり、イチゴを摘んだりできる可能性を発見し、「障がいは個性」という認識を深めていきました。
この経験から、当事者の方々と共にNPO法人を設立し、重い障がいを持つ子どもたちの居場所づくりを開始。その場所ができたことで、普段は緊張して硬くなりがちな子どもたちの体もリラックスし、笑顔が増えていきました。また、介護疲れで表情が暗かった母親たちも、仕事に行く時間ができたことで気分転換となり、笑顔や身なりにも変化が見られるようになりました。
バースデードネーションで実現する支援の特長
今回開始するバースデードネーションプロジェクトでは、集まった寄付金を主に二つの分野に活用します。
一つ目は、子どもたちの生活を支えるための施設設備の充実です。具体的には、入浴用椅子やリハビリ用平行棒の導入を予定しています。入浴用椅子は介助者の負担を軽減するだけでなく、子どもたち自身が座り心地よく、楽な姿勢でお風呂を楽しめるようになります。また、リハビリ用平行棒は、歩行や立位の練習に役立ち、身体機能の向上をサポートします。
二つ目は、バックオフィス機能の充実とスタッフのスキルアップです。記録用PCの導入により、入浴やリハビリの記録を簡単に共有でき、スタッフ間の情報共有が円滑になることが期待されます。また、ファンドレイジングに関するアドバイスを受けるなど、組織基盤の強化にも取り組みます。
小山代表は「子どもの笑顔を見て私たちも癒され、嬉しい循環が生まれています。また、ご家族とも同様の関係ができていると感じています。支え・支えられる関係ではなく、一人ひとりを尊重して、お互いが輝けるよう地域のみなさんとも一緒に取り組みたい」と語っています。
NPO法人TEAM創心の概要
- 法人名:NPO法人TEAM創心
- 所在地:三重県松阪市嬉野中川新町
- 代表者:小山隆幸
- 事業内容:重い障がいを持つ子どもたちとその家族のための居場所づくり、交流会・学習会の開催
- 特徴:作業療法士としての専門知識を活かした支援活動、当事者と共に立ち上げたNPO法人
三重県では、医療的ケア児を含む障がいのある子どもたちとその家族が地域で安心して暮らせる環境づくりが課題となっています。TEAM創心の活動は、そうした社会課題の解決に向けた地域に根差した取り組みとして、今後も発展が期待されます。

