【岡山理科大学】学生が考えたビジネスプランを提案/2チームが企業賞受賞
ANAと理大の共同人材育成プログラム

岡山理科大学がANAグループ整備部門(以下、「e.TEAM ANA」※)の人材育成を担う全日本空輸株式会社整備センターの協力を得て、今年度スタートした共同人材育成プログラム。12月17日には岡山キャンパスの学園創立50周年記念館で、航空業界の課題解決に向けて9チームの学生たちが、自分たちで考えたビジネスプランをプレゼンしました。うち2チームの提案が「創造性と実践性が高く評価」され、全日本空輸の企業賞を受賞しました。
この日のプレゼンは、12月3日にANA側から提示された①航空業界の脱炭素化に向けた新技術導入の課題と解決策を議論②フライトの「待ち時間」を「価値ある時間」に変える提案③ヒューマンエラーを最小化する取り組みを提案――という3つのテーマに基づいて、参加した46人の学生(1~4年生、大学院生)が9チームに分かれ、メンバーが役割分担して練り上げました。
プレゼン時間は6分間。審査員は全日本空輸整備センターの細見光徳・業務推進部マネジャーら同センターの4人でした。
企業賞を受賞した1チームは経営学科4年、前田陽大(はると)さんら5人。テーマは「『待ち時間』を『価値ある』時間に」で、空港内書店兼図書館の設置を提案しました。「ビジネスパーソンの時間の課題」と「実際に本を手に取りたいニーズ」、「書店減少の課題」「書店の体験型価値」を融合させたアイデアで、空港内の待ち時間に本を選び、機内で読み、到着先の空港で返却するか購入するというプランです。
もう1チームは情報理工学科4年、上廻(かみさこ)蒼介さんら6人。航空機整備現場で発生した実際のヒューマンエラーを題材に、「『人の意志』に頼らない3つの解決策」を提案。一つ目はセンサーを活用した安全連動装置などの「技術的強制力」、二つ目が「隠ぺいリスクより報告メリットを大きくする」など「インセンティブの逆転」、三つ目は部品等の他社在庫を即座に借用できるプラットフォーム構築などの「動的なロジスティクス」です。
審査終了後、細見マネジャーは「我々の期待を超える本当に面白い提案ばかりでした。どれも甲乙つけがたかったと思います。いろいろな切り口がありました。その中でANAにとってプラス、企業価値が高まるような視点で、まさにそこをきちっと切り取った提案に企業賞を贈ることにしました」と受賞理由を説明し、表彰状を手渡しました。
企業賞の2チームは、副賞として東京・羽田にあるパイロットや整備士、客室乗務員などの総合訓練施設「ANA Blue Base」見学ツアーに招待されます。
このプログラムは、主に航空整備士の仕事に興味のある工学部・情報理工学部の学生が中心となり、その他に航空業界の各職業に興味のある他学部の学生も対象として実施。学生たちが将来のキャリアを考える上で、多種多様な職業へ興味を持って進路決定できる環境を提供したい大学側のニーズと、より多くの学生に航空業界への興味をもってもらいたい「e.TEAM ANA」人材育成部門との願いが一致して実現しました。
※「e.TEAM ANA」:ANAグループで航空機メンテナンス事業を行う7社の総称 (ANAラインメンテナンステクニクス、ANAベースメンテナンステクニクス、ANAエンジンテクニクス、ANAコンポーネントテクニクス、ANAエアロサプライシステム、ANA、ANAウィングス)










