【発売前重版】デビュー10周年の寺地はるな、30作目の節目小説 『世界はきみが思うより』11/13発売
株式会社PHP 研究所(京都市南区・代表取締役社長 瀬津要)は、『世界はきみが思うより』(寺地 はるな 著/税込1,760 円)を2025年11月13日に発売します。著者の寺地はるなさんは、『水を縫う』で河合隼雄物語賞を受賞(2021年)するほか、多くの作品が文学賞にノミネートされるなど、その活躍が期待される作家です。『川のほとりに立つ者は』は本屋大賞候補作に選ばれており、書店員からも注目を集めています。『世界はきみが思うより』は、デビュー10周年を迎えた著者にとって30作目となる小説です。作家としての節目に選んだテーマは、「愛のかたち」。様々な悩みを抱え、世の中が信じられなくなった登場人物たちが一歩を踏み出す感動作で、発売前に重版が決まり注目度の高さが伺えます。

小説は手に負えなくて愛しい子どものようなもの
寺地はるなさんは、小説は子どもと共通点があると語っています。執筆を進めると、原稿が意思を持っているかのように、思い通りに進まず、想定外の作品に「育つ」ことがあるからです。今作『世界はきみが思うより』もそんな作品のひとつであり、企画当初のキーワードは「お弁当」だったという執筆秘話を、インタビューで明かしています。
子どもと小説にはいくつかの共通点がある。
まず、意思があるということ。乳幼児(アイデア、プロット段階)の頃はともかく、執筆がはじまったらもうこっちの言うことなど聞いちゃいない。確固たる意思を持ち、自分の進みたい方向に進んでいく。『世界はきみが思うより』もそうだった。最初は「お弁当のお話にしましょう」というところからスタートしたはずなのに、書き上がったものは当初思っていたのとはちょっと違う話に育った。手に負えない。「手に負えない」は「愛しい」と同義である。私が生み育ててもけして私の思い通りにはならない存在の、なんと頼もしいことか。
(寺地はるな/「文蔵」12月号より)
早くも書店員から熱いレビュー続々
いち早く原稿を読んだ書店員からは、「何度も読み返したい」「わたしを救ってくれる」など、たくさんの感想コメントが寄せられています。
もう、すっっごく良かったです!! ずっと手元に置いて、何度も読み返し、心をほぐしたくなる、そんな素敵な一冊です!
(紀伊國屋書店久留米店 池尻真由美さん)どうしてこんなにやさしい物語が書けるんですか?いつだって寺地さんの小説はささくれだったわたしを救ってくれる。
(文教堂溝ノ口本店 高橋茜さん)寺地先生は、ふだん見落としている場所に視点をキュッと引き寄せ、「ここを見て」と優しく気づかせてくださいました。
(水嶋書房くずはモール店 和田章子さん)書店名の五十音順
『世界はきみが思うより』について
【STORY】
ある出来事がきっかけで他人が作った料理を受け付けなくなってしまった高校生の冬真は、同級生の時枝くんに「難病を抱えた美少女」の妹がいるという噂をきく。友達にそそのかされ、時枝くんの家まで行ったことがきっかけで、冬真は時枝くんと仲良くなっていくが――。
一方、国際交流プラザで働く紗里は、「きれいなものが好き」なあまり、太ることへの嫌悪感を抱えていた。自分が撮影した写真が原因で時枝くんを傷つけたことを知った紗里は、“罰”としてマッチングアプリを始めて……。それぞれの理由で世界への信頼が薄くなった彼らが、大切な人と歩いていくために一歩を踏み出す感動作。
【書誌情報】

タイトル:世界はきみが思うより
著者:寺地 はるな
判型・製本:四六判並製
ページ数:224ページ
定価:1,760円(税込)
発売日:2025年11月13日
ISBN:978-4-569- 86015-2
発売元:株式会社PHP研究所
著者プロフィール
寺地はるな(てらち はるな)
1977 年、佐賀県生まれ。大阪府在住。2014 年、『ビオレタ』で第4回ポプラ社小説新人賞を受賞しデビュー。令和2年度咲くやこの花賞(文芸その他部門)を受賞。2021 年、『水を縫う』で第9回河合隼雄物語賞を受賞。2024 年、『ほたるいしマジカルランド』で第 12 回大阪ほんま本大賞を受賞。『ガラスの海を渡る舟』『いつか月夜』『声の在りか』『雫』『そういえば最近』『リボンちゃん』『カレーの時間』『川のほとりに立つ者は』など著書多数。



