GSアライアンスが普通ゴミ、家庭ゴミから量子ドットを合成
GSアライアンス株式会社は、脱炭素、カーボンニュートラル社会構築のために、環境、エネルギー分野に特化した最先端技術を研究開発している会社です。種々の製品を開発していますが、2023年にノーベル化学賞の対象にもなった量子ドットという先端材料も開発しており、種々の量子ドット、量子ドットと樹脂、量子ドットと無機材料との複合材料などを開発しています。
この度、同社の森良平博士(工学)は、普通ゴミ、家庭ゴミから量子ドットを合成しました。紫外線照射下、ブラックライトや波長の短い青色の光で照射すると、波長の長い青色を発光します。

人口爆発に伴う地球温暖化、環境汚染、森林破壊、プラスチック汚染などの環境問題は深刻で、生態系を破壊する壊滅的なレベルになりつつあり、人類が毎日排出する普通ゴミ、家庭ゴミも世界中でどんどん増加していっています。
家庭から排出されるゴミなどを含めた、都市廃棄物(MSW:Municipal Solids Wastes) は、最も汎用的な普通ゴミ、一般ゴミと言われるものですが、紙ゴミ、食品ゴミ、生ゴミ、分別が困難なプラスチックゴミや他にも種々のゴミを含んでいます。一方で、特殊産業廃棄物、特殊農業廃棄物、医療廃棄物、放射性廃棄物、下水汚泥などはこれらの普通ゴミとは見なされていません。これら家庭ゴミ、普通ゴミの量は人口増加に伴って増え、今後も増え続けることが予想され、その量は世界中で膨大です。これらの毎日膨大な量で世界中で排出されるゴミは、焼却されるか埋め立てられるかされており、悪臭など環境問題を引きおこす原因となります。よって、この人類が毎日排出する巨大な量の普通ゴミ、都市廃棄物を付加価値のあるものに応用できれば素晴らしいことです。
この度、GSアライアンスの森 良平博士(工学)は、これらの普通ゴミから量子ドットを合成することに成功しました。森良平氏は既に食品ゴミ、紙ゴミ、農業残差などの有機バイオマス系廃棄物や、プラスチックゴミから量子ドットを合成することに成功していたので、今回、それらのゴミが混合された家庭ゴミ、普通ゴミを原料として、量子ドットを合成することに成功しました。一方で、普通ゴミに不純物として混合してしまうような金属ゴミ、セラミック、陶器のようなものは量子ドットの原料となりません。
合成された量子ドットは、炭素量子ドットの類であり、その独自の光学、物理化学的な特徴を用いてセンサー、バイオイメージング、触媒、LED、エネルギー産業、農業などに応用できる可能性があります。同社としては、この普通ゴミから作る炭素量子ドットの応用を、より詳細に具体的に研究開発していく予定です。
量子ドットとは
量子ドット(Quantum Dot)とは、量子化学、量子力学の法則に従う光学特性を持つナノスケールの超微細構造を有する最先端材料で、2023年のノーベル化学賞の対象にもなった材料です。量子ドットの大きさは通常0.5 - 9nmの直径という極端に小さい構造体で、1個あたりの原子、分子数は数十~数千個といわれており、人工原子、人工分子とも言われています。量子ドットの材料が半導体の場合は、ナノ結晶のサイズによってバンドギャップを調節することが可能であるため、粒径に依存した特徴的な発光特性を持ちます。よって粒子径サイズを変化させることにより発光波長が調整可能で、固体の蛍光体と比較してスペクトルの半値幅が狭く、量子効率も高いという特徴を持ち、かつ、幅広い波長を吸収することも可能です。このような量子ドットの独特の特徴を用いて太陽電池、ディスプレイ、バイオイメージング、フォトニック結晶、レーザー、LED、人工光合成、蓄電池などへの用途が研究開発されています。
会社概要
商号 : GSアライアンス株式会社(冨士色素株式会社グループ)
代表者 : 代表取締役 森 良平博士(工学)
本社所在地: 〒666-0015 兵庫県川西市小花2-22-11
事業内容 : カーボンニュートラル、脱炭素、SDGs課題に取り組む環境、
エネルギー分野の最先端技術の研究開発、製造販売
URL : https://www.gsalliance.co.jp/


