【開催レポート】日本最大級のサイバーセキュリティ国際会議 「CODE BLUE 2025」盛況のうちに閉幕!

~次回は2026年11月に開催~

2025-12-19 14:00
CODE BLUE 実行委員会

新宿区・高田馬場で開催されたサイバーセキュリティ国際会議『CODE BLUE 2025』(トレーニング:11月16日~17日、カンファレンス:11月18日~19日)が全日程を終え、好評のうちに閉幕しました。国内外のサイバーセキュリティ研究者をはじめとする多数の業界関係者が一堂に会し、講演・トレーニング・ワークショップ・ネットワーキングパーティなどを通じて、最新の知見を共有し、交流を深める場となりました。なお、次回「CODE BLUE 2026」の開催は2026年11月17日~18日に決定しました。

CODE BLUE 2025の様子

CODE BLUE 2025の様子

カンファレンスでは、世界トップクラスの講師が登壇!

カンファレンスでは、採択倍率19倍という狭き門を通過した、「技術」「サイバー犯罪」「法と政策」など多岐にわたる分野の先駆的で洞察に富んだ研究成果が披露されました。他にも、若手研究者を対象とした「U25」や、OSS(オープンソースソフトウェア)関連セッションの「Bluebox」、さらにはスポンサー企業による「Open Talks」なども行われました。

オープニングには、ソフトウェアセキュリティ自動化分野における第一人者であるデイビッド・ブラムリー氏が登壇。AIとサイバーセキュリティの関係について、急速に進化するAIには失敗から学ぶ自律的なループを持つシステムの構築が必要であり、そのシステムを通じて人間と協調していくべきだとの見解を示しました。また、スペシャルセッションとして、前述のブラムリー氏と「AI×CC(AI Cyber Challenge)」の上位入賞者を交えたパネルディスカッションが行われ、AIとサイバーセキュリティの最前線やその未来像について積極的な意見が交わされました。

デイビッド・ブラムリー氏による基調講演

デイビッド・ブラムリー氏による基調講演

他にも、外貨獲得のため身分を偽り海外企業で就労する北朝鮮IT労働者の実態を、独自調査で明らかにしたStty K氏の講演や、GoogleのAI『Gemini』などを標的とする新たな脅威「Promptware」攻撃の実例を多数紹介したスタヴ・コーエン氏らの講演に、来場者からの注目が集まりました。前者は日本の地政学リスクに直結し、後者は身近なAIサービスへの脅威として、現実的なサイバーセキュリティ課題を提示する内容でした。

クロージングでは、NCO(国家サイバー統括室) 内閣審議官の中溝 和孝氏を迎え、本年5月に成立した「能動的サイバー防御」に関連する法制度や、現在策定中のサイバーセキュリティ戦略など、日本政府が進めるサイバー空間の安全確保に向けた最新の政策動向などを紹介いただきました。

国家サイバー統括室(NCO)中溝 和孝氏によるクロージング・キーノート

国家サイバー統括室(NCO)中溝 和孝氏によるクロージング・キーノート

U25枠では、台湾の研究者らに奨励金を授与!

CODE BLUEでは若手技術者・研究者の支援を目的としてユーストラック(U25枠)を設け、講演の機会を提供しています。本年は、ヨンシュー・ヤン氏、ユーシュエン・ルオ氏らによる、高度に難読化されたルートキットの解析を可能にする実環境とシミュレート環境を組み合わせた新たなフレームワークを紹介した講演と、イ・ジュノ氏、ソ・ヒョナ氏による、Windows、Linux、Android向けのブートキット・ルートキットフレームワーム「BOOTKITTY」を発表し、低レイヤーの攻撃の実態と防御の必要性を示す講演が行われました。レビューボードからは、いずれの講演も非常に高度な内容であるとの高い評価が寄せられ、中でも厳正な審査の結果、ヤン氏ら3名に研究開発奨励金が授与されました。

奨励金を授与されたユーシュエン・ルオ氏(左)、ヨンシュー・ヤン氏(中央)と、レビューボード(審査+プレゼンター)の中島 明日香氏(右)

奨励金を授与されたユーシュエン・ルオ氏(左)、ヨンシュー・ヤン氏(中央)と、レビューボード(審査+プレゼンター)の中島 明日香氏(右)

世界のカンファレンスで人気のワークショップが東京でも開催

本年のカンファレンスでは、ブルーチーム演習・レッドチーム演習をはじめ、IoTサービスやOTデバイスを対象にしたCTFなど、合計12本のコンテスト・ワークショップが開催されました。特に注目すべきは、各国のカンファレンスで開催される国際的なワークショップがCODE BLUEでも実施された点です。昨年の「自動車」「医療機器」に加え、本年は「航空宇宙」「IoT」「海運」をテーマとしたものが新たに加わり、「Villages」として会場内に専用エリアを設けました。

今年は規模を拡大して開催されたVillages

今年は規模を拡大して開催されたVillages

初心者から経験者まで幅広く参加できる内容が多く、来場者からは「初心者でも楽しめた」「CTFチャレンジが知見習得に繋がった」「非常に面白くて他のセッションそっちのけで取り組んでしまった」などの多くのコメント(来場者アンケートより)が寄せられていました。

ワークショップ・コンテストの様子

ワークショップ・コンテストの様子

最先端技術を短期集中で習得するトレーニングコース

カンファレンスに先立つ11月16日~17日には、AIエージェントのセキュリティや、最新のWebやアプリのハッキング、IDA Proを使用したデコンパイラとプログラミング技術、Windowsイベントログ解析に関する4つのトレーニングが開催されました。サイバーセキュリティの最前線で活躍するスペシャリストから、実践的なスキルを直接学べる機会となり、受講者からも高い評価を得ていました。

トレーニング「大和セキュリティのツールを利用した 高度なWindowsイベントログ分析と脅威ハンティング」の様子

トレーニング「大和セキュリティのツールを利用した 高度なWindowsイベントログ分析と脅威ハンティング」の様子

さまざまなバックグラウンドを持つ人々が交流する場に。来年の開催日も決定!

カンファレンスにはアジアや欧米、中東、アフリカ、中南米など、世界40の国と地域から来場者がありました。今年の来場者数は、コロナ禍以前まで復活し、会場内や展示ブース、ネットワーキングパーティなどで、来場者同士が積極的にコミュニケーションを深める様子も伺えました。

来場者からは「ここでしか聞けない、サイバーセキュリティ関連の最新の情報に触れることができた」、「第一線で活躍する企業の製品や動向をまとめて知ることができた」「様々な関係者との出会うことができ、人脈が広がった」などのコメント(来場者アンケートの結果より)があり、来年への期待が多く寄せられていました。

CODE BLUEは今年も幅広いネットワーキングの場に

CODE BLUEは今年も幅広いネットワーキングの場に

また、カンファレンス運営には今年も多数の応募の中から選ばれた約50名の学生ボランティアスタッフが携わりました。CODE BLUEでは、優秀な学生を国際舞台へと後押しすることを目的の1つとして「学生スタッフ」の採用を続けています。今年も多くの学生が活動の合間に講演を聴講したり、業界の最前線で活躍する専門家や企業との交流を深めたりするなど、国際カンファレンスの熱気を直に経験してもらう機会となりました。

閉会式では、事務局代表の篠田より来年のCODE BLUEの日程も発表されました。
CODE BLUE 2026は2026年11月17日~18日に同会場(ベルサール高田馬場)にて開催いたします(詳細については、確定次第改めてお知らせします)。
今後もCODE BLUEでは、サイバーセキュリティ分野における国際的な情報交換・交流機会の促進を目指して活動を続けてまいります。

スポンサーブースが立ち並ぶ会場の様子

スポンサーブースが立ち並ぶ会場の様子

CODE BLUE 2025の講演アーカイブ動画について

カンファレンスチケット保有者の方は、EventoryにてCODE BLUE 2025の講演アーカイブ動画をご視聴いただけます(視聴期間は2025年12月31日まで)。配信は講師の許諾を得た講演に限ります。なお、一般向け配信は、2026年1月以降にYouTubeにて行う予定です。

Eventoryでのアーカイブ視聴方法は下記をご参考ください。
https://codeblue.jp/about/news/20251125-codeblue2025_eventory-archive/

CODE BLUE 2025 開催概要

日時:2025年11月16日(日)~11月19日(水)
主催:CODE BLUE実行委員会
運営:CODE BLUE事務局(株式会社BLUE)

トレーニング

日時:2025年11月16日(日)~11月17日(月)
会場:ベルサール新宿南口
   (住友不動産新宿南口ビル4F)

カンファレンス

日時   : 2025年11月18日(火)~11月19日(水)
会場   : ベルサール高田馬場
       (住友不動産新宿ガーデンタワーB2・1F)
Webサイト: https://codeblue.jp/
SNS   : [X(旧:Twitter)] https://x.com/codeblue_jp
      [Facebook] https://facebook.com/codeblue.jp
      [LinkedIn] https://www.linkedin.com/company/codeblue-jp

「CODE BLUE」について

『CODE BLUE』は、国内外のトップクラスの専門家が集う、サイバーセキュリティの国際会議です。今回で13回目の開催となり、サイバーセキュリティ専門家による最先端の講演と、国や言語の垣根を越えた情報交換・交流の機会を提供しています。多様な分野で活躍する世界トップレベルの専門家が一堂に会することで、日本を含むアジアのセキュリティの活性化や連携強化をはかること、および、国内・アジアの優秀な若手研究者を発掘し国際舞台へと後押しすることを目的に開催を続けています。

■協賛企業様一覧: https://codeblue.jp/sponsors/