Webサイトのブランド力、総合編は「Google」が首位  一般企業サイト編の上位は、「ローソン」 「珈琲所コメダ珈琲店」「ケンタッキーフライドチキン」 「マクドナルド公式サイト」 日経BPコンサルティング調べ 「Webブランド調査2025-秋冬」

2025-12-19 11:00
株式会社日経BPコンサルティング

株式会社日経BPコンサルティング(東京都港区)は、3万人以上のネットユーザーが国内500のサイトを評価する「Webブランド調査2025-秋冬」の結果をまとめた。Webサイトのリニューアル効果や製品・サービスへの関心、企業の好感度への影響等を明らかにする目的で、2025年12月19日に調査報告書を発行・発売した。報告書は年に2度、6月と12月に発行している(「春夏編」「秋冬編」)。

調査結果のポイント

●総合ランキングトップ3は「Google」「楽天市場」「Amazon」

●一般企業編(インターネット専業企業を除く)では、「ローソン」が首位を獲得。第2位は「珈琲所コメダ珈琲店」、第3位は「ケンタッキーフライドチキン」「マクドナルド公式サイト」

●スコア上昇サイトは、「MSN」「るるぶトラベル」「三菱電機 CME」がトップ3

●企業活動への理解、関心などの意識変化を測る「態度変容:企業活動」のトップ3は「トヨタ自動車 公式企業サイト」「パナソニック ホールディングス」「JAF(日本自動車連盟)」

総合ランキングの首位は「Google」で、「楽天市場」「Amazon」が続く

調査対象500サイト中の総合ランキング第1位は「Google」で、2023-秋冬以来の首位を獲得した。第2位は前回首位の「楽天市場」、第3位は「Amazon」となった(図表1)。

第1位の「Google」は、Webブランド指数(WBI:Web Brand Index)が前回(2025-春夏)の99.6ポイントから5.8ポイント増の105.4ポイントとなり、前回第3位から順位を上げた。WBIを構成する6つの個別評価指標※1のうち、サイトの使い勝手を評価する「サイト・ユーザビリティ」、サイトの利便性や信頼性の印象・イメージを測る「サイト・ロイヤルティ」がそれぞれ500サイト中第1位のスコアを獲得した。
一般生活者にとって、生活と密接にかかわる、利便性の高い信頼できるWebサイトとして高い評価を得ている。

※1:WBIは、「アクセス頻度」「サイト・ユーザビリティ」「サイト・ロイヤルティ」「態度変容:製品・サービス」「態度変容:企業活動」「行動喚起」の6つの個別評価指標で構成している。

■ 一般企業サイト編は、「ローソン」が首位を獲得。第2位は「珈琲所コメダ珈琲店」、第3位は「ケンタッキーフライドチキン」「マクドナルド公式サイト」

一般企業サイト(インターネット専業企業サイトを除く)のトップ3は、「ローソン」「珈琲所コメダ珈琲店」「ケンタッキーフライドチキン」「マクドナルド公式サイト」の4サイトとなった(図表2)。

「ローソン」は、6つの個別指標全てでスコアが上昇し、WBIが一般企業サイトでトップとなった(図表3)。特に「態度変容:企業活動」のスコアは、70.7ポイントと高評価を獲得した。トップページは商品情報中心であるものの、「お客様の声からうまれた取り組み」や「サステナビリティニュース」などへの導線も設けられており、企業としての取り組みに対する高評価につながった可能性がある。
第2位の「珈琲所コメダ珈琲店」は、「態度変容:企業活動」「態度変容:製品・サービス」の2つの指標で上昇が目立つ(図表4)。
第3位は「ケンタッキーフライドチキン」「マクドナルド公式サイト」のWBIが71.7ポイントで同率となった。いずれも「態度変容:製品・サービス」の評価が高く、新商品情報やキャンペーンなどへの関心の高さがうかがえる。

スコア上昇サイトは、「MSN」「るるぶトラベル」「三菱電機 CME」がトップ3

前回から今回にかけてスコアが大きく上昇したサイトのトップ3は「MSN」「るるぶトラベル」「三菱電機 CME(CLUB MITSUBISHI ELECTRIC)」となった(図表5)。「MSN」は前回から16.4ポイント増の56.8ポイント、「るるぶトラベル」は14.9ポイント増の60.8ポイント、「三菱電機 CME」は14.8ポイント増の59.3ポイント。順位は「MSN」が前回第439位から第91位、「るるぶトラベル」は前回第313位から第61位、「三菱電機 CME」は前回第348位から第69位となった。

「MSN」はWBIを構成する6つの個別指標全てでスコアが前回を上回った。特に「態度変容:製品・サービス」は、前回から18.3ポイント増の52.8ポイントで、順位は第490位から第154位となった。また、「行動喚起」は前回から11.4ポイント増の56.2ポイントで、前回第387位から第57位と順位を大きく上げた。「アクセス頻度」のスコアが前回を上回っており、サイトアクセス経験者の増加がこれらのスコア上昇に影響したと考えられる。

「るるぶトラベル」についても、6つの個別指標全ての評価が前回を上回り、WBIを押し上げた。特に「態度変容:製品・サービス」が16.5ポイント増加し、前回第354位から第76位と順位を上げた。好印象を持ったコンテンツやリピート意向に関する自由意見では、「おすすめ情報」への言及が複数見られ、旅行の計画・予約に役立つ情報への関心の高さがうかがえる結果となった。

「三菱電機 CME」は、「態度変容:企業活動」が16.3ポイント増の59.1ポイント、「態度変容:製品・サービス」が13.8ポイント増の63.9ポイントと、企業活動、製品・サービスの訴求がそれぞれ高評価を獲得した。

■ 企業活動への理解、関心などの意識変化を測る「態度変容:企業活動」トップ3は、「トヨタ自動車 公式企業サイト」「パナソニック ホールディングス」「JAF(日本自動車連盟)」

Webブランド調査のノミネートサイトにおいては、企業理念やサステナビリティなど、企業としての取り組み発信を強化する傾向がみられる。企業活動訴求の評価指標となる「態度変容:企業活動」で高いスコアを獲得したサイトを見ると、トップ3は「トヨタ自動車 公式企業サイト」「パナソニック ホールディングス」「JAF(日本自動車連盟)」となった(図表6)。
「トヨタ自動車 公式企業サイト」は、「関心を持ったコンテンツ」の「経営方針、経営ビジョン」の得票率が500サイト中で第1位となり、企業としての今後の方針、未来像への関心の高さがうかがえる。「パナソニック ホールディングス」は、「事業活動、技術や取り組みが理解できた」の得票率が高く、事業活動やサステナビリティの取り組みに関する情報発信への評価が高い。

近年の企業サイトにおけるサイトリニューアルの傾向として、IR・サステナビリティ・研究開発など企業情報の拡充、企業としてのビジョン、メッセージ発信を強化するサイトが増加している。一般生活者から見ても、企業のこれらの取り組みに対する興味・関心が高まっている状況と考えられる。
サイトの利用実態と意識の評価を本調査結果で確認し、サイトにおける顧客接点の改善やブランド力の強化に、ぜひ活用いただきたい。

図表1 ●Webブランド指数 総合ランキング トップ50

図表1 ●Webブランド指数 総合ランキング トップ50

※図表1:ランキング表中のサイト名表記は、トップページのタイトルによるサイトの正式名称。

図表2● 【一般企業編(ネット専業企業除く)】 Webブランド指数ランキングトップ10

図表2● 【一般企業編(ネット専業企業除く)】 Webブランド指数ランキングトップ10

図表3 ●「ローソン」のスコアチャート

図表3 ●「ローソン」のスコアチャート

図表4 ●「珈琲所コメダ珈琲店」のスコアチャート

図表4 ●「珈琲所コメダ珈琲店」のスコアチャート

図表5● Webブランド指数 スコア上昇ランキングトップ10

図表5● Webブランド指数 スコア上昇ランキングトップ10

図表6 ●態度変容:企業活動 スコアランキングトップ10

図表6 ●態度変容:企業活動 スコアランキングトップ10

日経BPコンサルティング:日経BP全額出資の「調査・コンサルティング」「企画・編集」「制作」など、コンサルティング、コンテンツ関連のマーケティング・ソリューション提供企業(2002年3月1日設立。資本金9000万円)

Webブランド調査について

調査目的    : Webサイトのブランド力を測定し、企業や団体のWebにおける
          ブランド・コミュニケーション戦略の成果を定点観測する
調査手法    : インターネット調査
調査対象    : 全国、20歳以上のインターネット・ユーザー
          (日経BPコンサルティングの提携調査会社の調査モニター)
有効回答数   : 35,921件
調査対象ブランド: 企業や団体が運営する日本の主要500サイト
調査実施期間  : 2025年10月10日(金)~20日(月)
          ※半年ごとに年2回実施(春夏:4月、秋冬:10月)
調査企画・実施 : 株式会社日経BPコンサルティング
URL       : https://consult.nikkeibp.co.jp/branding/solutions/web-brand/